ダイレクトボンディング

ラバーダムの使用

ダイレクトボンディングをスムーズにおこなうためには、湿度の管理が重要です。
例えば、液状の接着剤はサウナのような湿った場所ではなかなか乾燥せず、物と物がすぐには固まりませんよね。
お口の中は湿度100%ですので、可能な限りラバーダムを使います。ラバーダムは周囲の水分の侵入を防ぎ、ダイレクトボンディングの速やかな硬化を促すことが可能です。
お口の中でも乾燥した状態を保つことが、素材が確実にくっつき長持ちすることにつながります。

保険のコンポジットレジンとダイレクトボンディングの違い

保険診療の際に使用されるレジンは、CR（コンポジットレジン）と呼ばれる白いプラスチック素材です。レジンは吸水性を持っているため着色がしやすい一方、時間の経過にともなって劣化していくという特徴があります。
それに対し、自由診療にあたるダイレクトボンディングでは、保険適用のレジンにセラミックの微粒子を混ぜた素材が使用されます。
そのためより天然歯の色に近づけられるのです。

• 保険のCR（コンポジットレジン）

  治療の概要

  保険診療の場合は、むし歯を削って生まれた隙間にコンポジットレジン（医療用プラスチック素材）を詰め、硬化させた後に形態を整えていきます。
  治療の所要時間は10～20分程度です。

  審美性

  コンポジットレジン（医療用プラスチック素材）のみを使うため、治療箇所とうまくなじまなかったり、経年劣化によって変色したりするおそれがあります。

  耐久性

  レジンの耐久年数は2～3年ほどと言われています。

  治療費

  保険適用なので、治療費を抑えながら、治療できます。

• 自費のダイレクトボンディング

  治療の概要

  マイクロスコープを用いて、より精密なむし歯除去をおこないます。セラミック粒子を多く含む高品質なコンポットレジン（医療用プラスチック素材）を使用し、素材を盛り付けては硬化させる操作を繰り返します。

  審美性

  レジンにセラミック粒子を混ぜ合わせた素材を何度も塗り重ねていくため、天然歯となじむ自然な色合いを再現できます。

  耐久性

  ダイレクトボンディングの寿命は、4～6年ほどとされています。

  治療費

  保険適用外となるため、保険治療よりもやや高額になります。

天然歯に近い色合いを再現

ダイレクトボンディング用のレジンはカラーバリエーションが豊富であり、処置の際には複数のレジンを塗り重ねていきます。
素材の色をできる限り周囲の歯の色に合わせることで、調和のとれた自然な仕上がりを目指しています。

他の歯への影響も少ない治療

ダイレクトボンディングでは、むし歯に侵された箇所だけを精密に取り除いた後、ペースト状にした歯科材料（レジン）を患部に直接盛り付けていきます。型取りのために必要以上に大きく歯を削らずに済むため、健康な歯質を多く残せます。
また、治療時間の短縮も期待でき、1日のみで治療を完結できる症例もあるほどです。

痛みの少ない治療

金属アレルギーのリスクを回避

近年では、金属製の歯科材料を一切使わない「メタルフリー」と呼ばれる治療が注目を集めています。ダイレクトボンディングで使うレジンは金属を含まないため、金属アレルギーの方も安心して治療を受けていただけるほか、将来的な歯科金属アレルギーも予防できます。

診療前の注意点