咬合・顎関節症

• 虫歯の再発リスクを下げる

  咬み合わせの悪さが原因で奥歯に負担がかかると、詰め物や被せ物が外れやすくなります。詰め物や被せ物はセメントという接着剤によって合着されていますが、咬み合わせの過剰な力によってセメントが流出し隙間が生じると、むし歯菌が侵入して二次的なむし歯になります。
  咬み合わせの改善により、このようなトラブルを回避できます。

• 詰め物・被せ物が長持ちする

  咬み合わせが悪い状態では、一部の歯に対して常に余計な力がかかるため、通常10年もつ詰め物が5年でむし歯になるといったトラブルの可能性があります。
  また、歯ぎしりのような横に揺さぶられる力がかかり続けることで歯を支えている骨を壊し、結果として歯が抜ける危険もあります。咬み合わせの改善は詰め物・被せ物や歯自体の寿命を延ばすことにつながるのです。

• 歯周病などの全身疾患へ良い影響をもたらす

  歯周病によって歯ぐきが弱っているところに過剰な咬み合わせの力がかかると、骨への負荷が通常の2～3倍にもなります。咬み合わせの悪さが歯周病がなかなか治らない原因になっているケースもあるため、咬み合わせの改善は歯周病をはじめとした全身疾患に良い影響をもたらします。

• その他の症状・不定愁訴の改善になる

  歯並びを整えて咬み合わせが正しい状態になると、頭痛、肩こり、生理痛、目の疲れ、倦怠感、冷え性などの諸症状や、「なんとなく体調が悪い」、「めまいがする」、といった不定愁訴が改善することがあります。

顎関節症とは

口を開け閉めしたときに、カクンという音やジャリジャリとした音が聞こえたことはないでしょうか？
正常な開口量といわれている指3本分程度まで口が開きにくい、あごや耳の近くに痛みがあるなどの症状が続いている方は、顎関節症が疑われます。
顎関節症の原因はさまざま考えられ、複数の原因が複合している場合もあります。歯科医師によるカウンセリングのもと解決方法を探していくことが大切です。

顎関節症の原因

Reason.01歯がぶつかり合う癖（TCH）

通常、咀しゃくをするとき以外は上下の歯は接触せず、少し隙間が開いています。しかし、無意識のうちに上下の歯を咬み合わせるくせがある人も存在し、このくせはTCH（歯列接触癖）と呼ばれています。
TCHはあごの筋肉や顎関節、歯に大きな負担がかかり、顎関節症のリスクを高めてしまいます。上下の歯を常に咬みしめている自覚がある場合は、意識的に離すことを心がけ、顎関節症の防止・緩和に取り組みましょう。

Reason.02長時間の前傾姿勢

通常の下あごは、頭蓋骨と筋肉にぶら下がっている状態でバランスがよい場所に収まっています。
しかし、テレビゲームやパソコン、スマホなどの影響で前傾姿勢が長時間続くと、本来正常ではない位置に下あごが収まってしまいます。これにより顎関節への負担が増え、顎関節症のリスクも高めてしまうのです。

Reason.03ストレスなどの心因

一部の顎関節症は、ストレスが原因で発症するといわれています。ストレスを受けるとあごの筋肉が過度に緊張し、歯に強い圧力がかかってしまうためです。
ストレス由来の食いしばりがくせになってしまうと、緊張する場面やストレスを感じやすい場面だけでなく、リラックスしているはずの就寝時にも食いしばりの症状が現れることがあります。

MRI

顎運動検査

顎関節に問題を抱えていたり、下あごの動きがスムーズでなかったり、下あご自体がズレたりしている患者様に対しては、専用の顎運動解析装置を用いた検査をおこないます。装置によって顎関節の機能を解析し、顎関節の異常を診断するというものです。

スプリント療法

スプリント療法は、就寝中に装着するマウスピースによって顎関節に変化を起こす治療です。歯ぎしりや食いしばりを改善したり、歯ぎしりや食いしばりによる負担を分散・軽減することで顎関節症の症状を軽減します。
スプリント装置にて筋の緊張をほぐし、正しい位置がわかったら咬み合わせの調整をおこないます。同じ状態で顎関節にフィットさせて歯牙の噛み合わせを調整する必要があります。